「ミュージカリスト」という職業を設定します。
2014 3月 伊勢谷宣仁
これは私が2013年春に勝手に創りだした造語で、英語標記すると<Musicalist>となりますが英語の辞書にはもちろんありません。定義づけすると、ミュージカルに不可欠な歌唱力、舞踊力、演技力の3要素を有し、かつ舞台芸術全般の教養・素養を身につけた人、ということになります。
今、日本では劇団四季が本格的なミュージカル産業を構築したこともあって、沢山のミュージカル公演が行われています。一頃に比べると全体に専門性も高くなってきているようです。そんなわけで専らミュージカルの舞台に出演し生計の基本を立てている人たちが多くなってきています。 一方ミュージカル公演では、売らんがために著名でちょいと器用ならミュージカルの舞台に立たせる現状も少なくありません。出演者の出自が歌手であったり、根っからテレビタレントだったり、噺家だったりする場合もあります。要するにミュージカルはオペラ歌手とは異なり、役や製作の狙いによっては誰でも出演可能なものとなっています。 では、専らミュージカルに出演し生計を成している人を何と呼ぶか? 最近<ミュージカル俳優>という言葉を使用している人が増えている。
<ミュージカル俳優>、英語圏では<Musical Actor>、ミュージカル女優なら<Musical Actress>と標記している。(本来musicalはmusicの形容詞だったと思いますが、今では名詞化している)
宝塚出身者が東宝製作等のミュージカルにかなり出演していますが、多くは<女優>としているようです。もっとも<元宝塚>という冠がほぼ間違いなくついてきますが・・・。
さてどうも、しっくりしません。
今、私は昭和音楽大学のミュージカル・コースの責任者としてその任に当たっていますが、学生が大学4年間で学ぶことはミュージカルに関わるほとんど全てのことに及んでいます。4年で充分なはずはありませんが・・。 私は、私たちの希望するミュージカル全般の素養を身につけて卒業した彼、彼女らなら、「ミュージカリスト」として堂々と名刺に刻印してもらっていいと思います。ミュージカルの舞台に立とうが、指導者になろうがそれはかまわないと思っています。ただ、それを名のるに相応しい誇りと技量をもって欲しいと思っていますが。もちろん他の人が、舞台芸術界で<Musicalist>を名のりたいならそれもいいと思います。この造語もやがて名詞化するでしょう。
![]()